先生と…気持ち、通じ合えたんだね。
嘘みたいだなぁ…。
「なぁ、弥生ちゃん。周りに言わない約束、できる?」
あたし。
必死に頷いた。
付き合えるなら、なんでもする…。
先生は柔らかく微笑んで、あたしの耳に顔を近づけた。
「じゃあ。…内緒で付き合っちゃおうか、弥生」
ドクッ。
心臓、痛いくらい跳ねた。
”お前”でも、
”百瀬”でも、
”弥生ちゃん”でもない。
…弥生って、呼び捨てにされた。
呼び捨てに、してくれた。
こらえきれずあふれ出した涙を、先生が拭ってくれる。
同時にあたしの頭を撫でる、優しい手つきにドキドキが止まらない。
「せ、んせ…っ」
先生を呼ぶと、人差し指を唇に当てられた。
「…先生じゃなくて、泰志って呼んで」
え…。
でも、そんな急に…。
ゆでだこみたいに顔が熱くなる。