「気づいたら、弥生ちゃんのこと意識して仕方なかった」
「っ……」
「弥生ちゃんのせいだよ」
…もう、ダメ。
あたし、どうなってもいい。
先生の腕に抱かれるなんて、夢みたいで…。
でも、夢だったら一生覚めなくていい。
「夢だって思ってる?」
「…え、なん…で…」
「弥生ちゃんのこと、俺がどれだけ見てたと思ってんの」
先生は。
あたしを腕に抱えて、壁にもたれたまま座り込む。
先生の足の間…すっぽり収まっちゃった、あたし。
どうしよう。
心臓、壊れちゃいそう。
「あー、マジで。いうつもり、なかったんだけどなぁ」
「…そ、なの?」
「うん。だって、バレたらやべーもん」
それは…。
あたしだって、分かってるよ。
でも。
やばいって思ってるのに…先生、笑ってる?
楽しそう、だね…?
「弥生ちゃんと同じ。…俺も、気持ちが抑えらんなかった」
あ、ダメ…。
泣いちゃいそう。
っていうか、ほぼ泣いてる。



