…パチ、パチ。
数回の瞬きのあと。
保健室特有のにおいが、鼻をかすめる。
あたし、確かバレーボールが顔に当たって…そのまま、倒れて。
……それから?
「…お、百瀬起きた?」
シャッてカーテンが開けられた。
…先生? 授業は…?
もしかして、ずっとここにいてくれたの?
「今日、高木先生出張でいないらしくてさ」
あぁ…。
それで、見ててくれたんだね。
先生とふたりきりだけど…。
まだ頭が痛くて、不思議といつもより心臓は静かだ。
「もう大丈夫?」
「…あたま、いたい」
なぜかあたしと同じくらいつらそうな顔をする先生。
なんでよ…。
あたしの元気がないときは、いつもみたいに笑っててよ。
「痛かったよな…」
先生はベッドのふちに座って、あたしの頭を撫でる。
…あぁ、ダメ。触られたら途端にドキドキしてきた。