先生と二人がかりでコートを用意したおかげで、無事に体育がはじまった。
あたしはもちろん見学。
というか、傍観?
隣には茉白。
スポドリのペットボトルを、意味もなく振っている。
…ヒマそう。
あたしもね。
でも運動するよりマシ。
ぜーったい、マシ。
「またサボりかぁ、お前ら」
それに、ほら。
こうして、先生が話しかけてくれるから。
むしろこれのためにサボってるまであるんじゃない?
「違うよ、見学だよ」
茉白の文句に、先生は意地悪そうな笑みを浮かべて。
「ほう? 見学ねぇ。じゃあ、レポート提出してもらおうかな」
え。
レポート…?
それは…さすがに、めんどくさい。
「嫌だったら体育に参加しなさい!!」
「はぁい…」
「…はい」
先生モード。
かっこいい。大好き。
はやく…お返事聞きたい。
「じゃあ、俺と二対一でもいいよ」
「えっ」
すぐ反応しちゃった。
恥ずかしい…。
先生と出来るなら…やっても、いいかな。
茉白はちょっと嫌そうだけど。
あたしと先生のために、お願い。
「もぉ…仕方ないなぁ」
ありがと。
優しい、茉白。大好き。



