学校がはじまってからしばらくは平和だった。
相変わらず毎日教官室に通って、先生にダル絡みして…。



でも、それが幸せだったし、先生も楽しいと笑ってた。



あたしは毎日ドキドキしていたのに。
先生ってば、なにひとつ気にしてないような顔で…。




正直、ムッとした。
…だけどね。あたしの魅力がまだまだ足りないせいかなとも思うから、先生を責めたりはしなかった。




そりゃ。
飛鳥と付き合ってた過去と比べれば、あたしなんて子供だろうけどさ。




ーー『百瀬さんのことを意識してるのは間違いないね』




飛鳥の言葉を思いだす。
…意識してるって、そんなまさか。




この一か月、未だに実感してない。
先生は、たぶん…あたしを女の子として見切れてないんだと思う。




どうしても頭のどこかには”生徒”の二文字がちらついて。
それを取っ払う手段は、あたしも、先生自身も持ち合わせてない。