「百瀬!」
…きゅうって、心臓が縮まった。
…気がした。
…先生。
なんで本当に会えちゃうの?
すごいよ。
あたしたち、運命だよ…。
その声に、おみくじを結び終わった茉白も振り返る。
「お、来栖もいたのか」
「もー、先生、弥生しか見えてなかったでしょ?」
茉白のからかうみたいな言葉。
…ねぇ、先生。否定、しないの?
大人しく頬を赤く染めてる場合じゃないよ。
あたしまでつられちゃうじゃん…。
「泰志ー、もうおみくじ買ったぁ? …って、あれ」
うしろから先生に呼びかける声。
水城先生だ。
いつも一緒にいるな…仲良し。羨ましい。
「百瀬、来栖。あけおめ」
「あけおめっ、先生!」
茉白のあとに続いて、あたしも「…あけおめ」って。
新年のあいさつ、礼儀だよね。
「ふたりともおみくじ引いた?」
「うん、わたし小吉」
「あたし大吉」
手に持ったおみくじを広げると、遊佐先生は「運いいなぁ」と頭をポンポン。
ダメだよ…どこで誰が見てるかわかんないのに。