【完】遊佐先生の甘い熱






あたしたちは人混みをかき分けて、おみくじの場所まで進む。




「やっぱ、三が日あるから夏祭りより混んでないねぇ」


「うん。快適」




しかも元旦の午前中だしね。
みんな、家でゆっくりしてるんだよ。




他愛もない話をして、目的地に到着。
おみくじも並んでない。
ラッキー。





ふたつ並んだおみくじ。
茉白と同時にお金を入れて、紙を取る。




「せーの」




掛け声で、同時に開いた。




「…わ」


「わたし小吉だったぁ。弥生は?」




おもわず顔が綻ぶ。




「…大吉」


「え、すごい! よかったね、弥生」




うん。
それよりもね…嬉しいこと、書いてあるよ。





【 恋愛 今の人が最上、迷うな 】




…神様が背中押してくれてる。



これ、偶然じゃないって思っていいかな?
信じて、いいかな?





「弥生はそれ持っときなね。わたしは縛る」


「…うん」




おみくじを折って、ひもに結ぶ茉白を後ろから見てた。


先生に会えたりしないかなぁ…と思っていたら、やっぱり神様はあたしの味方だったらしい。