「困るでしょ?」




必死でこくこく頷く弥生ちゃん。
そういうの、疎そうだもんね。
ハードル高いか。





「じゃあ、飛鳥…って呼んでも、いい?」


「うん…大歓迎」





どうしよう。
嬉しい。




弥生ちゃんとここまで仲良くなったこと、泰志に自慢しよっと。




わたしはメッセージアプリを開いて。
消音モードのあるカメラアプリで弥生ちゃんの写真を撮って。




【 超仲良くなった 】




って、写真付きで送信。




一分以内に返事送ってきちゃうくらい。
もしかして、泰志、今ヒマ?





【 は? なんで飛鳥と百瀬? なに喋ったの? 】




とにかく質問攻めな泰志。
気になるよね、そうでしょそうでしょ。




でも、教えてあげない。





【 仕事しなさい 】




それだけ送って、あとは無視無視。
カバンの中にスマホをしまって、コーヒーの残りを飲む弥生ちゃんを眺めてた。




…ふたりが付き合うことになったりしたら、盛大にお祝いしよう。




ひそかに決めて、わたしは弥生ちゃんと他愛もない話を再開した。




泰志、がんばれ。
あとは、泰志が気づくだけだよ。