しばらくして、私服姿の飛鳥さんが園から出てくる。
「ごめん、おまたせ」
「いえ…あたしこそ、急にごめんなさい」
「ううん。…ここじゃなんだし、近くのカフェ入る?」
飛鳥さん。
保育士の姿も美人だったけど、私服姿も超綺麗…。
あたしが勝てっこない、相手。
飛鳥さんとふたりで、保育園の近くのカフェに入る。
「百瀬さん、何のむ?」
「あ、あたし…コーヒーで」
ごく普通の注文のはずだったのに、飛鳥さんは目を丸くした。
「百瀬さん、そんなにかわいい見た目でコーヒー好きなの?」
「あ、はい…選択肢にあるときは必ず」
そういえば、はじめて先生にコーヒー好きだということを知られたときも、こんな感じだった。
…もう、懐かしい記憶。
「なんか…かっこいいね」
「そうですか…?」
「わたし、コーヒー飲めないから…」
少しはずかしそうにする飛鳥さん。
かっこいいより…かわいいのほうが、嬉しいんだけどな。
やっぱり、コーヒーじゃなくて、ココアとか…。
せめて、カフェモカとか好きになってみようかな。