「百瀬は放課後、教官室まで来るように!」




係決めの最後、叩き起こされたあたしにそういってわらった先生。
その瞬間、ちょっとだけドキってした。




体育教官室はあたしの思い出の場所。
先生と唯一ふたりきりになれる…。




だけどそのときのあたしはまだ先生のことなんて好きじゃなかったから。
放課後まで拘束されるのめんどくさいなぁ…って思ってた。





たぶん、係のことだと思うから行くけど。
えらいでしょ? 褒められちゃうね。





あとね、茉白や乃蒼と友達になった記念日でもあるよ。
だから…先生のこと抜きにしても思い出深いかも。





そしてあっという間に放課後。
あくびを押し殺しながら、ひとりで教室を出る。




足取りはすこし重く。
肩にかけたスクバがやけに負担に感じた。





廊下をトントン、足音を立てて歩いて。
もうすぐ教官室…。




入り口の札をしっかり見て、ドアに近づく。
そしたら。