( 弥生SIDE )
♡
12月あたま。
結局、先生が飛鳥さんを引きずってるのかわからないまま。
ねえ、なんではぐらかしたの?
やっぱり…好きだから? あたしが傷つくと思った?
もう、先生のことがわかんない…。
「やっぱ、先生のこといちばん知ってるのは飛鳥さんじゃない?」
茉白が言う。
「その見た目で行動するより考える派なのやめろよ」
乃蒼に茶化される。
…そう、なんだけど…。
飛鳥さんに聞きに行くの、なんか癪じゃない?
仮にも、あたしのライバルなわけだし…。
「ホントだよ。うだうだ悩んでるひまあったら行動に移しなって」
「…あー…どうしよ…」
「会いに行く一択じゃね」
会いに行くって…。
…でも、この前、一度だけ先生に聞いたことあるな。
飛鳥さん、この高校の近くの保育園で働いてるらしい。
「保育園なんて一個しかないじゃん、このあたり」
「物は試しだよな」
…やっぱり、そう思う?
放課後…行ってみる、かぁ。