ひたすら口を尖らせるあたし。
せっかくおそろいしてテンションあがってたのに。



…来なければよかったかな、修学旅行…。




なんて、思いたくない。
ちゃんと楽しみたいのに。
そうさせてくれないのは、先生じゃん。






「写真撮りたいって混ざればいいじゃん」


「ただ拗ねてるだけじゃ伝わんねぇぞ」





茉白、乃蒼。
乙女の恋心ってのは、そんな単純じゃないんだよ。




もうなんか…。
わざわざ混ざっていってまで撮るのも、モヤモヤするし。




「先生、こっちもこっちも!」




あぁ…。
なんか、無理そう。





先に先生と約束してたあたしだってまだ撮ってもらってないのに、ずるいよ。
…あたしを、最優先に考えて。…なんて、むりなの、分かってる。




だからね。
自分の中で、抑えとくよ。
無茶なわがまま。





「弥生、とりあえず三人だけで写真撮ろ?」


「…うん」





茉白の提案に乗って、先生がいるすぐそばで。
できるだけ笑顔を作って…ハイチーズ。



…笑えてた?





「うーん…弥生、ハリボテすぎる。笑顔が」


「…ゴメンナサイ」





それどこじゃないからね。
先生はとりあえず、謝ってね。