ふたりが言い合ってるあいだ、あたしの視線は先生へ。
教室の前のほう。今は、女の子たちと喋ってる。



…顔色、違うかなぁ?
あたしにはおんなじに見える。




先生、誰にでも優しいしね。
茉白にだって平気で触っちゃうし…。
思わせぶり、ダメ、絶対。





ーーぱち。




あ…。
まただ。



先生と、目が合っちゃった。




…あたしのこと、”気に入ってる”から?
気になる? 目で追っちゃう?




先生。
あたしのこと、恋愛対象として見てくれる?





「弥生ー?」


「あ…うん」


「置いてくぞ」





茉白に名前を呼ばれて、乃蒼に辛辣な言葉をかけられる。
あたしは、先生のことばっかり。



いつもの日常。
なーんにも変わらない。



先生。
あたし、今は見てるだけで我慢しといてあげる。




でもね?
あんまり、思わせぶりしちゃだめだよ。




先生のこと、”教師”として見たことなんか、ちょっとしかないから。
男の人として好き…。
伝えたら、どんな顔する?