「いやぁ、ごめんお待たせ」
先生。
めちゃくちゃ待った!!
もう教官室行こうかと思った。
やっと生徒から解放された先生は、苦笑いをこぼしながらあたしの元へ歩いてくる。
そしてどちらからともなく教官室のほうへ歩き出す。
「ちょっと一瞬、教官室寄ってきていい?」
「…え? うん」
最初からそのつもりだったんだけど…?
先生は、あたしを見下ろす。
「先、駐車場行ってて」
え……、えぇ!?
駐車場? 待って。また先生の車に乗れちゃうってこと?
それだけ言い捨てて廊下の先に小走りをしていく先生。
背中を見つめたまま、しばらく動けなかった。
どうしよう…。
こんなの、貰いすぎなくらいだよ…。
ちょっとイタズラがほしいって出来心のはずが。
需要と供給のバランス、崩れまくりです…。



