【完】遊佐先生の甘い熱






「残念だけど、俺は教師だからイタズラとかはあげらんないの」


「…そだよね」





あからさまに落ち込むあたし。
俯いて泣きそうになってたら、先生からの提案。





「じゃあ、放課後また来いよ」


「…え?」


「イタズラってわけじゃねえけど……たぶん、お前だったら喜んでくれることしてやる」





それって…。
ねえ、変だよ、先生。



イタズラを求めてきた生徒みんなにやってあげるわけじゃないでしょ?



あたしだけ特別視してるみたい。
先生。ドキドキする…。




「う、うん! 楽しみにしてる」


「おう」




最後に、ポンポンと頭を叩かれた。
本当はね。先生がくれたこのお菓子も、宝物。



先生からもらえるもの、なんでもうれしいんだよ。




いつか、先生の隣に立って…。
堂々と、イタズラしてもらえる日はくるのかな?





「じゃ、また放課後…!!」


「ちゃんと集中して授業受けろよ」




その言葉には返事せず、廊下を走って教室に帰る。
集中できるわけない。放課後、何が起こるのかワクワクすぎて…。