「…お、お菓子くれなきゃ、いたずらしちゃうぞ…」
さっきより声小さめに告げたあたしに、先生は一瞬笑ってから。
カバンをゴソゴソと漁って…。
「はい、お菓子」
……イヤ。
先生。ハロウィンって、そういうイベントだけど、今は違うじゃん。
どう考えてもイタズラ求めてるじゃん。
鈍感すぎるだけ?
先生…。
お菓子なんていらない。
先生からの愛が欲しい…。
あたしがムスッと口をとがらせていたら、先生はまた目を細めて笑う。
その顔に、キュンとしてしまうから…やっぱり、あたしはこの人に勝てないんだと思うけど。
「なによ、その不満そうな顔は」
「…不満だもん」
「イタズラがほしかったんだろ? このヘンタイ!!」
ぐりぐりって、コメカミをいじめられた。
ひどい…。
変態でもいいじゃん。先生のことが好きなんだもん。



