【完】遊佐先生の甘い熱







「あ、そうだ弥生」


「うん?」


「今日バーラビ行こうよ」






バーラビって。
”バーガーラビット”の通称。
地元で有名なハンバーガー屋さんだよね。





「いいよ」


「やったぁ。クーポンが今日までだから使いたくてさ」





そろそろ帰ろっか、って。
あたしたち、立ち上がった。



スクバを肩にかけて…忘れ物ナシ。
明日も学校あるし、忘れ物しててもいいか。




教室の出入り口に体を向けたとき。




「あ、弥生」





ふと、名前を呼ばれた。
先生でも茉白でもない。



ただのクラスメイトと呼ぶには、付き合いが深すぎる男子。
栗色のふわふわヘアが風で揺れた。





「乃蒼」


「今から帰り?」


「うん。バーラビいくとこ」