【完】遊佐先生の甘い熱






そんなあたしたちがいちばんに向かったのは、2年5組。



ここは水城先生が担任するクラスで、タピオカ屋さんを開いている。
喉乾いてたからね。ありがたいね。





「お、よく来たなぁ」


「せんせーおつかれ」




入口で出迎えてくれた水城先生に通されて、教室の中に入る。



あたしは抹茶、乃蒼はミルクティ、茉白はほうじ茶。



それぞれ選んで、商品を受け取る。



ひとくち、いただきます。



……まぁ、普通の味。
おいしいけど、可もなく不可もなく。




ただ乃蒼ね。
教室を出たあとで、超失礼なこと言い出した。




「てかこれ、市販のミルクティにタピオカいれてるだけじゃん…」


「しっ!! タピオカ茹でるのが面倒なんだって! …たぶん」




すぐに茉白が正す。
そういうことはね。
言っちゃいけないルール。



禁忌の扉開いたね。
乃蒼。




「あ、ちょっとお前ら待って!」