乃蒼とは無事お友達に戻り。
10月最後の土曜日。すなわち、文化祭がやってきた。
「せんせー、見て」
朝イチで学校に来て朝イチでメイド服に着替えたあたし。
先生が来ると、真っ先に見せる。
いちばんに見て欲しかった。
大好きなひとに、あたしの変わった姿を。
「お、百瀬……?」
「そうだよ、百瀬弥生」
「かわいいなぁ」
にこにこ。
先生はいつも通り青ジャージだけど。
…ちょっと、浮かれてる?
楽しいね。
だって、一年に一回だもんね。
「似合う?」
「超似合ってるぞ」
「やったぁ」
うれしい。
……うれしい!!
先生に褒められた。
それだけで、今日一日のテンションは保たれそうだ…って思った。
……あれさえ、なければ。