先生に相談した数日後。



偶然。
放課後の教室にふたりきりになる機会があった。

……乃蒼と。




「……」

「……」




お互い、無言。
どうやって話を切り出せば、ってはなしだよね。




このままだと折角の機会が無駄になっちゃうから。
あたし、男気みせます。
……いや、女気?




「の、乃蒼!!」

「や、弥生」




……あれ?
考えること、一緒だった?




ふたりそろって、思わず吹き出した。
仲良しだね。ホント。




「被せてくんなよ」


「乃蒼こそ…」




ひとしきり笑ったあと、先に口を開いたのは乃蒼だった。





「……避けてたわけじゃないんだけどさ。なんか話しかけづらくて、ごめんな」


「ううん。あたしこそ、……っていうか、あたしが話しかけるべきだったのに」




そうだよ。
元はと言えば、あたしが逃げたのが悪いんだし。