指切りしよう、と言われて、小指を絡めた。
先生の言葉なら…ぜんぶ信じたいって思わせられる。
「それに、好きな女を簡単に手放すようなやつ、男じゃないしな!!」
……なんか、妙に説得力あるんですけど。
先生。
飛鳥さんのこと、振り切ったのかな?
「お、ちゃんと身代わりつけてんじゃん」
「あ……うん」
先生の身代わり。
クマのキーホルダー。
スクバにちゃんとついてる。
毎日、あたしのこと見守ってる。
「そういうとこ、可愛いよなぁ? 弥生ちゃん」
「っ……」
もう、ダメ。
この先生、小悪魔すぎる。
あたしの周りってなんでこういう男の人ばっかりなの…?
「す、好きでもない女の子に可愛いとか言いまくるの、ダメだと思いますっ!!」
あたしはそう言って立ち上がると、勢いよく教科書類ぜんぶ片付けて「じゃあね!」と教室を出る。
……あー、まだ心臓、うるさいや。