放課後。
間接キスの話を思い出したら、なんとなく先生に会いたくなって、教官室へ。
誰もいないはずの廊下。
教官室が近づくにつれて声がきこえる。
次第に、教官室から話し声が漏れてることに気づいた。
先生…?
あたしは恐る恐る、教官室のドアに張り付いて、盗み聞き。
悪い子だよね。
今日だけ許して…。
「あたし、先生が好き」
──っ……。
聞かなきゃ良かった。
来なきゃ良かった。
タイミング悪…。
胸がきゅうっと締め付けられるけど、不思議と足は動かない。
床に根を張ったみたい。
「そうか……ありがとう」
自分が告白したみたいに、ドキドキしてる。
先生とはじめて話した日も…先生は、告白されてたね。
分かってはいるんだけど…。
先生がモテるの、あんまり見たくないなぁ。
「でも俺は先生だから、お前の気持ちには応えられない」



