【完】遊佐先生の甘い熱






「どうすんの? 乃蒼くんのことは」


「…そりゃ、断るけど」


「じゃあなおさらはやく言ってあげなよ」




その通り。
あたし、愚かだね。
ホント。




なんて残酷なやつなんだろう。
自分でも思います。はい。




「わたしは乃蒼くんと付き合うのでもアリだけどなぁ」


「…茉白はね」


「でも弥生には先生がいるもんね」




にまにま。
茉白ちゃん、悪い子。




茉白はもう近しく恋をしていないらしい。
あたしも…先生以外に恋する予定なんて今後もないから、ある意味同じようなものだけどさ。




「先生とはどう?」


「…あ、そう、それなんだけど…」




思い出すだけで恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じる。





「……間接キス、しちゃった…」


「えぇっ!」




茉白が大きな声で驚く。
ちょ、静かに…!



前の方で男子とご飯食べてた乃蒼も振り向いてるから…!!





「ほんとに? 脈アリじゃんそんなの!」


「いや、でも先生は気づいてないっていうか…っ」


「はぁ。罪深い男だよねぇ、先生も…」





うん。
でもあたし、そういうところを好きになったんだ…。