「あれ。きみ、何年?」
「え、超かわいい子いるー!」
……これは想定外。
バスケ部はチャラい先輩が多いこと、忘れてた。
油断してたあたしはあっという間に先輩に囲まれて、質問攻め。
…勘弁して。ホント。
助けてよー、乃蒼ぁ…という声が届いたのか、すぐに近くから聞きなれた声が飛んできた。
「なにやってんすか」
乃蒼だ。
最初の1音だけで分かる。
先輩たちが輪をほどいて。
乃蒼の呆れた顔、ようやく見えた。
「弥生じゃん」
「なに、知り合い?」
知り合いどころかお友達だよね?
乃蒼に目配せすると、ため息をついてから「…友達っす」と答えてくれた。
「こんなかわいい友達いるなら紹介してよ」
「嫌ですね。弥生、そんな安くないんで」
乃蒼のくせに生意気。
でも、ちょっとだけかっこよかったかも?