「今年もお前らみたいな不良の世話か〜」
先生が呟く。
不良って…。
マセガキから不良?
先生はお口が悪い。
「うれしいんでしょ、先生」
茉白があたしのかわりにきいた。
嫌だって思われてたらどうしよう…。
ドキドキしながら返事を待ってたら。
「当たり前だろぉ、お前らみたいなのがいると教室に華があっていいよなぁ」
…華?
ホントに?
あたしのことそんなふうに思ってくれてるの?
…大好き。
あたしからしたら、先生のほうが華だよ。
「まぁ、うちらかわいいしねぇ」
「自分で言うな」
先生と茉白の会話。
ふたりは仲がいい。
先生、あたしも輪の中に入りたい。
先生とたくさんお話したい。
「百瀬はなぁ」
…ドキ。
先生、エスパーなの?
話したいっていうの、伝わった?
「俺のこと見すぎだよなぁ」
始業式の話だよね…。
そんなこといわれたら。
顔、真っ赤になっちゃう。
「先生を見てたんじゃなくて、壁を見てたんだよ…」
あたしがそんな言い訳をぼやくと
先生はおかしそうに笑って。
「それはそれで変なやつ! 病んでんのかぁ? お前…」
そんなことを言った。
もう…からかわれてる。
あたしの気持ちは嘘じゃない。
いつでも本気なのに…。
ね、先生。
好きだって言ったら、困ってくれる?



