あれから、数日。
先生はそれ以来あたしを“弥生ちゃん”と呼ぶことはなく。



いつも通り。
何の変哲もない日々をすごしてる。




廊下で見かけたら、「せんせー」と呼んで。
先生は振り返って、笑ってくれる。
青いジャージが今日もなびいていた。




遠くから「好き」と訴えかけるだけの日々。
…もう、飽きたな。




体育の授業がなかったから、今日は一日が長く感じた。
もう放課後。




明日も体育ないからね。
モチベあげるために、乃蒼でもご飯に誘おうかな。




そう思って、放課後、部室棟の前で待ち伏せ。
乃蒼はバスケ部。




一回だけ試合してるとこ見たことあるけどね。
結構かっこよかったよ?
見直した。



でも、あたしの気持ちは揺るがないけどね。
先生命。




しばらくして、部室棟のほうから声が聞こえてきた。
ひとりやふたりじゃない。
何人もの、がやがやとした声。