そして、やってきた放課後。
ウキウキして仕方なかった。
教卓で生徒と話す先生に、「先行っとくね」と声をかけて、教室を飛び出す。
教官室に到着して、イスに座りながら待っていたら。
しばらくして、先生が入ってきた。
「逃げ足はやいなぁ、お前」
先生のこと、先回りして待っててあげたんだよ。
いいお嫁さんになりそうでしょ?
「いらっしゃい、先生っ」
「こら、自分の部屋みたいに」
ポン、と出席簿で頭を軽く叩かれた。
痛くないよ…。
「じゃあ、俺職員室行ってくるから。掃除はじめてていいよ」
「…うん」
なんだぁ。
先生とずっと一緒ってわけじゃないんだ。
「そうだ。お前の好きな”あれ”も買ってくるから。…だから、そんな拗ねんなよ?」
先生。
にって、かっこいい笑顔。
また、あたしをトリコにする。
…あれって、コーヒー?
拗ねてることも、お見通し?
ずるいよ。先生。
あたし、あなたのこと…ひとりの男性として見てるのに。



