( 弥生SIDE )
◎ ◎ ◎
無事に夏休みも明けて、新学期がはじまった。
というのも、もう一週間前の話。
先生からは、課題をやってこなかった罰として教官室の掃除を命じられたけど…。
どうも、最近は部活のほうで忙しいらしく。
あたしには構ってられないという様子に。
ほんの少し、拗ねてる。
「なーんでふてくされてんの」
あたしの前の席に、乃蒼が後ろ向きに座る。
あの出校日から、あたしは乃蒼にもよく相談するようになった。
今日は先生とこんな話をした、とか。
先生とこんな風に触れた、とか。
「先生が構ってくれない…」
「そりゃ、遊佐も教師なんだから仕方ないでしょーよ」
こういうこと、とか。
あっさり核心をつかれて、あたしは返す言葉もなくなる。
黙りこくったあたしに、追い打ちをかけるみたいにため息。
やめて…あたしを痛い子だと思わないで…。