「ねぇ、先生…なんで夏祭り、飛鳥さんと来てたの…?」
先生は少し戸惑ったように言葉を詰まらせて、いつもより物憂げな表情で笑った。
「飛鳥だけじゃなくて、十環もいただろ」
「…そうじゃなくて。…飛鳥さんって、結婚したんだよね? まだ好きなの?」
嫌なこと聞いてるのは理解してる。
でも、やっぱり気になるの。
先生のこと大好きだから。
…あたしのこと、好きになってほしいから。
「…もう好きじゃねぇよ。でも、四年弱付き合ってたからなぁ。ちょっと思い出深いわけよ」
四年弱…。
そうなんだ。
四年っていう月日は、本当に長いと思う。
簡単には忘れられない、っていうのも…。
あたし、彼氏いたことないけど、わかるよ。
「それに、あの日はそもそも飛鳥の旦那も一緒に来る予定だったんだ。でも急に仕事が入ったとかで、三人でいってこいって言われたんだよ」
そっか…。
じゃあ、飛鳥さんの旦那さんも公認なんだね。
よかった。



