【完】遊佐先生の甘い熱






「もし辛かったら。…あたしの腕で泣いていいから、先生」


「…情けなくてできねえよ」




生徒だから?
年下の女だから?



先生は、「でもありがとな」って笑った。




「百瀬は優しいなぁ」


「…そうかな」


「あんまり好きでもない男に優しくしすぎると、勘違いさせるから要注意だぞ」




先生…。
あたし、本当に先生のことただの教師だと思ってるって思う?



それにね…。
先生にしか、ここまで優しくしない。




「先生の鈍感」


「…それ、来栖にも言われたなぁ。ふたりそろってなんなんだ?」




だって、鈍感だもん。
ふつう気づくよ…。



それとも、気づかないふりをしてくれてるの?



先生。
あたし、先生が思うほどいい子じゃないよ。




今だって、飛鳥さんが結婚するって聞いて、ちょっと喜んだ。



こんな性格悪いって知ったら、先生どう思うかな?