【完】遊佐先生の甘い熱





「ごめんなさい…」


「あ? なーんかしおらしいなぁ、さてはなんか企んでるだろ!」


「違うもん!!」




あたしの勢いのある返しに、先生は大きく笑った。
その笑顔も…スキ。



あたしだけに見せてよ。
なんて無理なお願い。
…聞いてくれる日、あるかな。





「かわいい生徒に謝られちゃ、怒るに怒れんなぁ」




そう言いながら教卓に戻って行った。
…かわいい?



あたしってやっぱり、ただの一生徒?
知ってた。でも、本人の口から聞くと胸が痛い。




女の子としてかわいいって、言ってよ。



…無理かなぁ。





「はい、じゃあ新学期最初のHRはじめるぞー」




先生の言葉でみんなが静かになった。
今年もまた、あの教卓で立つ先生を見られる。
…嬉しい。



先生は。
あたしと今年も同じクラスで嬉しい?
それとも、めんどくさいって思ってる?