( 弥生SIDE )


◎ ◎ ◎




先生は、あの球技大会の日から、ずっと遠い目をしている。




なにか悩んでるなら言って欲しい…。
でも、ただの生徒であるあたしに解決出来る話ではないことくらい、見てたらわかった。




最近、よく廊下で水城先生とふたりで話す先生を見かけるし。
水城先生は先生の高校からの友人ってことも聞いてたからね。



別に悔しくないよ…。
あたしも、頼られたいけど。





「だからぁ、乃蒼くんはそういうところが子供なんだって!」


「っ…はぁ? ガキはお前じゃん」




昼休みの教室。
隣では、相変わらずの喧嘩が繰り広げられている。



それに苦笑いしながら、廊下を歩く先生に目を吸い寄せられた。




「先生、おはよー」


「こら! また遅刻か、お前!」




よく遅刻してくる隣のクラスの女の子。
先生に叱られてる…いいなぁ。