なんでもいいや…。
飛鳥、結局俺のところには戻ってこなかったな。
心のどこかではきっと期待していた。
もしかしたら…って甘い考えがずっと抜けなかった。
自分から会いに行けばよかった。
まだ忘れられないと伝えてみたらよかった。
無駄な足掻きだったとしても…行動してから、後悔すればよかった。
全部、もう遅い。
「…今度は、お前が幸せになる番じゃないの」
うん。
ホントに、そうだ。
神様が与えた試練なんだろ、きっと。
俺を変えてくれる女…。
実は、もうすぐそばにいたりしてな。
『灯台もと暗しって言葉があるよ、先生』
百瀬の言葉を思い出した。
あのときはよく分からなかったけど…。
…そうだな。
遠くばかり見てないで、そろそろ近場に目を向けてみますか。