『…理由、きいてもいい?』
せめてそれだけでも。
『…好きな人ができたの』
あぁ、虚しいな。
俺じゃ、満足させてやれなかった。
飛鳥も、確かに俺を好きでいてくれたはず。
…そうだよな?
『最後に聞かせて。飛鳥は…俺のこと、ちゃんと好きだった?』
俺の問いかけに、飛鳥は。
儚く、それでいて可憐な。
…雪のような笑顔を見せた。
『…大好きだった!』
それからのこと。
あんまり、覚えてない。
というか、思い出したくなくて、脳が拒絶してる。
ただ、その日の夜は、枯れるほど泣いた。
…だから、もう俺の涙は枯れたものだと思ってる。
それが俺の人生をかけた大恋愛だったから。
5年経った今でも思い出すし…飛鳥は、今何をしているんだろうって考える。
その好きな人と無事に結ばれたというのは…大学を卒業する前に、聞いた。



