【完】遊佐先生の甘い熱






『イルミネーション、綺麗だね』


『…うん』




変だった。
具体的に言えないけど、違和感しかなくて。



それ以上、なにも言うな…って。
ただ、願うことしかできなかった。




『わたし、冬って好き』




俺が告白したときのセリフを真似した飛鳥。
なんて残酷な女なんだろう。




『別れも、綺麗な思い出に変えてくれるし、それに』


『……』



『…泰志には、雪が似合うから』





そう言った瞬間。
神からのイタズラみたいに、雪が降り始めた。



お互い泣きそうな俺たちを横目に、恋人たちは『初雪だぁ…』と感動している。





『ごめんね、泰志。わたし…遊佐飛鳥には、なれなかった』





そんなこと言うなよ。
今からでも遅くないだろ?
って。



情けなく、引き止めてやりたかった。




でも、どうせ終わってしまうなら。
最後の最後まで、かっこつけて終わらせたくて。