【完】遊佐先生の甘い熱






別れってな、突然くるものだよ。
想像していなかった形で…。




俺は毎日幸せだった。
飛鳥への愛が尽きることはなかったし。
周りにも『結婚式は呼べよ』なんて言われてた。




だから、当たり前に…俺と結婚するのは、飛鳥だって思い込んでたんだよな。




大学2年の冬。
その年の春には無事に3年記念日を迎え。
この冬を乗り越えれば、今度は4年記念日…のはずだった。





『泰志』




クリスマス。
イルミネーションを眺めながら、飛鳥とふたりでぶらついていた。



綺麗だね、なんて笑い合う恋人たちの横で、手を繋ぐ俺たち。




今年も飛鳥とクリスマスを迎えることが出来て幸せだと…。
俺は呑気だった。




『どうした?』




浮かれたままの気分で聞き返す。
飛鳥の様子が少しおかしいことにきづいたのは…その直後。



飛鳥の俯きがちな顔を見て、心がざわついた。



でもさ。
嫌な予感ってのは、だいたい当たる。