こんな告白をしたのは人生ではじめて。
いまでも、これを超える告白はなかなかないと思う。
一世一代の大勝負とはよく言ったもんだ。
心臓が張り裂けそうで、神にも縋った。
『…たいし』
『俺、大森飛鳥が好き。…意味わかんないくらい、好きだ』
ぶわ、と赤く染っていく愛おしい飛鳥に。
俺は、何度心を奪われるのだろう。
『遊佐飛鳥になる?』
冗談半分できいた。
飛鳥は笑いながら『彼女すっ飛ばしてプロポーズ…っ』と言ったが、そのあとは。
『うん…わたし、苗字おそろいがいいな』
と、まっすぐ俺の目を見て言ってくれた。
なりふり構わず抱きしめて、飛鳥に『苦しいよ』と言われるまで離さなかった。
あとから知ったことだけど、中村とやたら一緒にいたり、『中村くんと付き合おうかなぁ』という発言は、ぜんぶ俺の気を引くためだったらしい。
ヘタレでごめんな…と再認識。
同時に、飛鳥への愛が溢れて仕方なかった。
それが…高校2年の春のこと。
そして、俺にとって幸せのピークは、そのあと4年弱続いた。



