18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 遥さんは少し驚いた表情で私を見ている。

 私は恥ずかしくてあまり彼の顔をまともに見ることができず、視線をそらした。

 すると、彼が静かに質問を口にした。


「それは、俺との結婚を承諾していると解釈していいのかな?」


 その言葉にどきりとして、私はもう一度彼に目を向けた。

 鋭い視線をまっすぐに向けられて、体が硬直する。

 言葉も出てこなくて、もしかしたらこのまま見つめられて死ぬかも、などと覚悟した。


 私が黙ったままでいると、遥さんはふっと小さく笑った。


「ごめんごめん。急に訊かれてもすぐに返事はできないよね。でも、頑張ると言ってくれたから少しは期待しててもいいのかな」


 私は遥さんを見て、顔が熱くなり頭がぼうっとした。


 なんて穏やかに笑う人だろう。

 なんて優しく話す人だろう。

 なんて誠実そうな人だろう。


 何か返さなきゃいけないと思い、慌てて返事をしようとしたら、一歩足を踏み出した拍子に小石につまずいて足を捻り、前のめりになった。


「わっ……!」

 ふわっと柑橘系の爽やかな香りがして、軽く肩を掴まれるように支えられた。


「すみません」

「大丈夫?」

 見上げるとすぐそこに遥さんの美しい顔があった。


 ううっ……尊い!!!