冬空の下、あの日のあの場所で。


俺は独りで立ち尽くす。


結局、あの約束が果たされることはなかった。


あの時見上げた空は、今や群青色から瑠璃色へと成り果てた。


独りになって初めての冬。


星が煌めく夜空を見上げる。


「琴星…………」


愛しい彼女の名前を呟き、手のひらを空にかざす。


涙が、流れた。




それは、とても自然なもので、心の底から流した綺麗な涙だった。


星の煌めきは、魂の煌めきに見えた。