「誰かお前の周りに勉強を見てくれるやつはいないか? 先生も部活があったり、会議があったりで毎日放課後に時間を取るのが難しくてな」


わたしの周り……といえば、真っ先に浮かぶのは風音ちゃん。

けど風音ちゃんバイトしてるから忙しいんだよね。


そうなると……萩野くんとか!

あっ、でも萩野くんも自分の勉強あるだろうし、忙しいよね。


あぁぁ、だったらわたしは誰を頼ったら……。


「あれ、咲桜先輩?」

ん? 今の声って――。


「うぇ……柚和くん……!?」

なんと偶然。

まさかの柚和くんとばったり。


「おぉ、梵木じゃないか」

「え、平山先生って柚和くんのこと知ってるんですか?」


「あぁ、梵木のクラスの数学を担当してるからな」

な、なるほど。