私の背中が、キッチンのふちに当たっているこの状況。
目の前には、笑みが一切ない帷くんがいて。
彼の両腕が、私の横腹に触れていて。
ひぃえぇぇぇ……
胸キュンと戸惑いで、ポニーテールを揺らさずにはいられない。
後ろには逃げられない。
キッチンがそびえているから。
帷くんの腕があって、横にも無理。
怒り沸騰中の帷くんがいる目の前なんて、逃げる隙間すらないし。
えっと……あっと……
帷くんを笑顔にするのが、得策かも。
話題、話題……
えっと、えっと……
「ホホホっ…、ホットケーキっておいしいよね」
「……」
「ハチミツをかけるのも好きだけど、バニラアイスのせが一番かなぁ」
「……」
「帷くんが作るホッとケーキも食べてみたいし、今から一緒に作ろ。ねっ」



