「人の目ばかり気にしてるってバレてたから、私はよく東条くんに睨まれちゃってたのか……」
「でも今の川島の表情は、悪くねぇ」
「……意味……わからない」
「だって以前のオマエなら、傷ついた顔なんて学校で見せなかっただろ? でも今は違う。ゾンビみたいな死に顔で、目を真っ赤にしてさ。感情と顔面が一致してて、わかりやすい。人の心ん中読むのって、めんどくせぇだろーが。凝視してやっても、隠してる感情なんて全くわかんねーし」
「サボってる私を、連れ戻しに来たんじゃないの?」
「さぼり? 良いんじゃね。 褒めてやるよ。優等生の川島にしては、よく体育祭をボイコットしたって。これからも自分の感情のまま、ワガママに生きろよ」
「……けなしたいだけなら……もういなくなって」
東条君くんの言葉が私を褒めてくれているとは、到底思えないんだから。
「俺は、彼女以外の女がどうなろうとどうでもいい。彼女さえ幸せなら、それでいいと思ってる」
「それなら放っておいて」
「でも今回は……それができないんだなぁ……」
「なんで?」
「川島には……借りまくった恩がたくさんあるから……」
え?
私に恩?
「借りまくったって……いつの話?」
「一緒に生徒会をやってた頃」
「私は特に何も……」



