ニヒヒと笑った東条くん。
女嫌いで有名な人。
副会長の私にすら、終始睨みつけてくる人だったのに。
なんで?
心を許したように、笑ってくれているの?
「表情筋が死んでる川島の顔拝んだの、初めてだわ。良い顔してるじゃん」
ヤンキーチックに八重歯を光らせ、微笑んでいて。
彼の初めて見る表情に、私には驚きが強すぎたんだろう。
ググっと涙が、勢い良く引っ込んでしまった。
東条君は私の隣に座り壁にもたれかかると、秋空を仰ぎながらボソリ。
「生徒会の頃も、人が喜ぶことばっかしてたよな。川島は」
それは……
「言われたかったから……みんなから……ありがとうって……」
「川島見てるとさ、無性に腹が立つんだよ」
「……!」
「他人のために走りまくって、自分のことは後回し。いくら大変でも、平気平気って笑顔ふりまいて。ずっと思ってた。辛いなら笑うな。自分の感情を一番大事にしろ。もっとワガママになれって」



