帷くんは秘め事が大好きらしい



「……さぼって……ごめんなさい」


一応、謝っておいた。

でも私は、未だ顔を上げられない。

この場を離れたくなくて、両腕で抱きかかえている膝を更にギュー。


俺様主義の総長様のことだ。


『何をしてる! 今すぐ体育祭に出ろ!』


嫌がる私なんてお構いなし。

強引に腕を引っ張って、青チームの応援席に私を連れて行くに違いない。



絶対にそう!


だと……

思っていたのに……


「誤解するな。俺は怒ってない。やっとこの日が来たかって、逆に祝ってるんだけど」


返ってきたのは、予想をはるかに超える意味不明な回答。


「……祝う?」


はてなが増えすぎて、納めきれなくなった私。

膝を抱えたまま呆気にとられ、涙でぐちゃぐちゃなブサイク顔を、東条くんに晒してしまった。


「目ぇ真っ赤じゃん。まぶたの中に、唐辛子でもしこんでるわけ? こえー女」