俺はとびきりの笑顔を浮かべると
「秋風に飛ばされなくて、よかったね~」
由乃さんの手に、二つ折りの紙を握らせた。
由乃さんは、恐る恐といった感じで紙を開いている。
俺の書いた文字に目を走らせ
「……えっ!?」
驚きいたように目を見開き、体を小刻みに震わせ始めた。
由乃さん、大丈夫?
顔が真っ青だよ。
そりゃあ、恐怖で震えるよね?
だって俺は、自分の持っている武器を使って、この場で由乃さんを脅しているんだから。
由乃さんに渡した紙に、俺が書いた文言はこうだ。
『俺は大事な人を守ることに決めた。もう脅しには屈しない。これ以上俺の大事な人を傷つけるなら、誹謗中傷の犯人として警察に突き出す。防犯カメラの映像と、多目的室で録音しておいた会話のデータを添えて』
「脅…し……?」
俺にしか聞こえないような、か細い声をもらした由乃さん。
泣きそうな瞳をオロオロを揺らす由乃さんの耳元に、俺はとてつもなく甘~い声を吹きかけた。
「脅しじゃないよ。正・当・防・衛!」



