競技が始まっても相変わらず、まどか先輩は見当たらない。
黄色チームの応援席で全ての競技を見つめているけれど、まどか先輩がスタートラインに立つことすらなくて。
――体育祭を盛り上げるために、まどか先輩は頑張り続けてくれたのに……
俺の周りを囲む女子達に話しかけられ笑顔を返しながら、あいだあいだに懺悔のため息が漏れてしまう。
「帷くん、そろそろ集合みたいだよ」
目をキラキラせた女子に肩を叩かれ、「行ってくるね」と微笑みを返す。
「出ないけど、私たちも集合場所までついてってもいい?」
「うちら、帷くんの邪魔はしないから」
「うん、いいよ」
ファンの子たちに王子様スマイルを飛ばしながら、俺はズボンのポケットに2つ折りにした紙をこっそりと押し込んだ。



