今まで幾度となく、まどか先輩への想い火を吹き消そうとしてきた。
俺は芸能人だから。
想っていても報われない。
悲しみの涙で、鎮火しようと試みたりもして。
でも恋心の炎は消えることはおろか、天に届きそうな勢いで燃え上がるだけ。
恋心が消火できないのは、当たり前だったんだ。
『愛している』という暴れ狂う熱量は、俺の理性で制御できる代物ではないんだから。
世界中に、星の数ほど存在する人間たち。
俺の恋心は今、目移りも迷いもない。
一人の女性だけに、執拗に囚われている。
この想いを、きちんと伝えたい。
俺自身も、幸せになりたい。
そのためには……
俺は瞳に恋の炎をたぎらせると、さっと床掃除を終わらせ、多目的室を後にした。



