帷くんは秘め事が大好きらしい



『悲しむでしょうね。帷に溺愛したいほど大好きな人ができたと知ったら、大泣きじゃ済まされない。寝込む人も出てくるだろうし。帷のことを、リアル彼氏だと思い込んで推している人もたくさんいるから』


「それなら俺が、自分の恋心を封印すればいい話で……」


『あなたはね、芸能人の前に一人の人間なの。幸せになるために生まれてきたの。高瀬帷には高瀬帷の人生がある。大好きな人を見つけて、幸せになる権利がある。その権利は、誰にも邪魔できないわ』


「本当に言っていいのかな? 俺には好きな人がいるって。世界中の人に向けて」


『堂々と声を上げ続けなさい。好きな人がいる、こんなに大好きなんですって。今は受け入れてもらえないかもしれない。一年後もファンに大泣きされるかも。でもね帷が彼女を愛し続けていれば、数年後には『素敵な伴侶と巡り合えて幸せですね』って祝福してもらえると思うから』


「……編集長」


『はい、報告終わり! もうすぐ体育祭が始まるのよね? 今日は放課後まで高校にいられるの?』