「あら、できないの? 嫌でもやってね。まどか先輩に話しかけたくても、無視し続けるの」
「……」
「私はこれから、モモ先輩と松岡先輩をまどか先輩から引き離してみせる。本当のぼっちにさせて。私一人だけで、まどか先輩をとことん甘やかす計画なの」
「……君って人は」
「人気商売の帷くんは、世間の声を気にしなきゃいけない。だから何もできない。フフフ。まどか先輩のことは、私に任せてね」
勝ち誇った顔で、「じゃぁね」と多目的室を後にした由乃さん。
俺は窓際に進み、カーテンを掴み空を眺める。
秋晴れの空が、さわやかな青で染まっている。
空とは対照的に、どす黒く濁っている俺の心。
どうすればいい?
どうすれば、まどか先輩が救われるんだ?
俺は額に手を当てると
「はぁぁぁぁ……大好きなのに……何もできないなんて……」
崩れ落ちるように、多目的室の床にしゃがみ込んだ。



