「松岡先輩より、俺のことを好きになってよ」
切実な思いを弱声に溶かし、俺はまどか先輩の頬に当てていた手を離した。
そしてベッドの端に腰を掛ける。
俺の太もものすぐ横には、眠り姫の麗しい顔が。
抱きしめられるほど近い、この距離がもどかしい。
俺はまどか先輩の顔の横に、手のひらを置いた。
「こんな卑怯なことをして……ごめんね……」
これは膨れ上がった恋心を、捨て去る儀式なんだ。
俺にとって都合のいい言い訳。
脳に張り付け、上半身をゆっくり倒していく。
大好きだから、どうしても触れたくて。
愛おしいから、俺だけのものにしたくてたまらない。



